ブガウ村における回虫症の風土病的・疫病的側面
ビヤムウィテンガ・ミラビヨ
回虫症は、我々コンゴ民主共和国のように、衛生事情の悪い熱帯地方で特に多く見られる風土病です。ブガウ村においても、雑居地域での糞便処理の不備や水不足、人々の貧困、教育不足が、この寄生虫を増加させています。ニャムゴやその周辺地域では、今日まで回虫症についての体系的な研究がなされておらず、その研究は、科学者のみならず行政当局や衛生員の意識効用に必要不可欠なものとなります。  

本研究は、この地域での、発生率、年齢・性別・住環境による違い、関連疾患の分析を行いました。分析資料には、ニャムゴ保健衛生センターの月間報告書、検査記録、診察カードを用い、調査対象は、1997.9.1から1998.8.31までの574件としました。以下にその結果を記します。

- 発生率は52.7%と非常に高い
- 年齢層が低いほど発生率が増加
- 女性発生率56.28%、男性47.32%
- 最多発生地域はンガンボキャンプ87.33%、ニャムゴ73.57%
- 頻発している関連疾患は、鞭虫病48.7%、鉤虫症29%、アメーバ症と糞線虫症6.8%

この調査結果に伴い、次の勧告をします。

1. ニャムゴ保健衛生センターに対して
・ 学生や研究者が研究を効果的に進められるよう、試験所の検査記録簿をきちんと管理すること

2. 行政当局に対して
・ 糞便処理等、環境衛生対策を強化すること
・ 雑居や不衛生に対処する都市化を促進すること

3. 医療関係者に対して
・ 回虫症と衛生教育について常に考えること

4. 大学医学部に対して
・ 回虫症知識の大衆化に力を注ぐこと
・ この地域におけるその後の研究結果を出すこと